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東野 圭吾
講談社
¥ 780
(1998-03)
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あらすじ
総合コンピュータメーカーで仮想現実を研究する敦賀崇史は、ある日違和感を覚えた。
今一緒に暮らしている麻由子は、自分の恋人ではなく、無二の親友智彦の恋人だったという記憶が過ったのだ。
俺には、もうひとつの過去があるというのか?崇史は智彦を訪ねるが、姿はなく、部屋は何者かに荒らされていた。
「記憶」に翻弄されながらも、崇史が辿りついた切ない愛の結末は…。
自分の「記憶」は真実のものではなく、何者かに改変された「記憶」かも知れない・・・。
という崇史の現在の疑惑と過去の親友の恋人・麻由子への想いを軸に、
現在と過去が平行(パラレル)に登場して物語が進んでいく様はSF小説のようです。
疑惑と不安の中、真実に迫っていく現在の世界は推理小説を読んでいるようで読み応えがあるのですが、
過去世界の崇史が次第になりふりかまわず麻由子への欲望むき出しになっていく様子は、
読んでいてげんなりします。
崇史と智彦の友情って、崇史の智彦への無意識の優越感と同情がベースだったのではないかと。
だとしたら、智彦を見下していた中学の同級生や合コン相手より性質が悪いなあと思ってしまいました。
あと、話の根本である「記憶改変」についても無理があるのではないかと。
崇史が夏美に記憶の間違いを指摘されたように、たとえ本人の記憶を書き換えることに成功したとしても、
記憶はその人一人だけの持ち物ではなく、周りの人との共有物なので、
その人たちの記憶も書き換えなければ、破綻してしまいますよね・・・。